目次
- 結論
- この記事が役立つ状況
- 営業企画の仕事内容とは?業務範囲・必要スキル・キャリアパスを解説
- 営業企画とは——営業部門における位置づけ
- 営業企画の7つの主要業務
- 1. 市場分析・競合調査
- 2. 営業戦略の立案
- 3. KPI設計と実績管理
- 4. 営業プロセスの設計と標準化
- 5. ツール選定・導入(CRM/SFA/MA)
- 6. 営業研修・オンボーディング設計
- 7. データ分析・レポーティング
- 営業企画に必要な4つのスキルセット
- 分析力
- 企画力・論理的思考力
- コミュニケーション力
- テクニカルスキル
- 営業企画と営業推進の違い
- 営業企画の年収レンジと市場価値
- 営業企画からGTMエンジニアへのキャリアパス
- AI時代における営業企画の仕事内容の変化
- 参考文献
- 営業企画の具体的な仕事内容は何ですか?
- 営業企画と営業推進はどう違いますか?
営業企画の仕事内容とは?業務範囲・必要スキル・キャリアパスを解説
営業企画の具体的な仕事内容を網羅的に解説。戦略立案からデータ分析、ツール導入まで業務範囲を整理し、必要スキルとGTMエンジニアへのキャリアパスも紹介します。
渡邊悠介
結論
- 営業企画とは『売れる仕組み』を設計し営業組織の成果を最大化する専門職である
- 業務は市場分析/戦略立案/KPI設計/プロセス標準化/ツール導入/研修/データ分析の7領域
- 分析力・企画力・コミュニケーション力を軸に経営と現場の結節点として機能する
この記事が役立つ状況
- 対象者: 営業企画担当者・営業マネージャー・営業企画への異動/転職を検討する営業職
- 直面している課題: 営業企画の業務範囲と必要スキルの全体像が曖昧で、自社の営業企画機能をどう設計・強化すべきか判断できない
- 前提条件: 営業データ(CRM/SFA)の蓄積、経営層と営業現場の双方にアクセスできる立場、KPI設計やプロセス標準化に取り組む権限
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【自社情報】
- 業界/事業: [ ]
- 営業組織規模: [ 名]
- 現在の営業企画体制: [ 専任/兼務/不在 ]
【現状の取り組み状況(7業務別に有無を記入)】
1. 市場分析・競合調査: [ ]
2. 営業戦略の立案: [ ]
3. KPI設計と実績管理: [ ]
4. 営業プロセスの設計と標準化: [ ]
5. CRM/SFA/MAツールの選定・導入: [ ]
6. 営業研修・オンボーディング設計: [ ]
7. データ分析・レポーティング: [ ]
【課題感】
- 最も改善したい領域: [ ]
- 直近の売上/受注率の傾向: [ ]
上記をもとに、優先度の高い強化領域TOP3と、各領域で次の90日間に着手すべき具体アクションを提示してください。
営業企画の仕事内容とは?業務範囲・必要スキル・キャリアパスを解説
営業企画の仕事内容は、一言でいえば「売れる仕組みを設計し、営業組織全体の成果を最大化すること」だ。市場分析から戦略立案、KPI設計、CRM運用、データ分析まで業務範囲は広い。しかし、その全体像を正確に理解している人は意外と少ない。本記事では、営業企画の7つの主要業務、求められるスキルセット、営業推進との違い、年収レンジ、そしてAI時代のキャリアパスまでを具体的に解説する。営業企画とは?で概要を掴んだ方は、本記事でさらに実務の解像度を上げてほしい。
営業企画とは——営業部門における位置づけ
営業企画は、営業組織の中で「個人の営業力に依存しない、再現可能な仕組み」を設計する専門職である。営業担当者が「売る」役割なら、営業企画は「売れる環境を作る」役割だ。
組織における位置づけとしては、営業本部長やVP of Salesの直下に置かれることが多い。経営層が掲げる売上目標を、現場で実行可能なアクションプランに翻訳する「経営と現場の結節点」がその本質的なポジションだ。
企業規模によって役割の幅は変わる。大企業では営業企画部として10名以上の部門を構えるケースがある一方、中小企業やスタートアップでは営業マネージャーが兼務していたり、1名の専任者が全てをカバーしていたりする。いずれの場合でも、営業データを起点に戦略を立て、プロセスを設計し、成果を検証するという基本サイクルは共通している。
営業企画の7つの主要業務
営業企画の仕事内容は多岐にわたるが、主要な業務を7つに分類して整理する。
1. 市場分析・競合調査
営業戦略の出発点は市場の理解にある。ターゲット市場の規模、成長率、顧客セグメントの特性を分析し、「どこを攻めるべきか」を明確にする業務だ。競合企業の動向(プレスリリース、IR資料、採用情報、展示会出展状況)を定期的にウォッチし、自社のポジショニングを調整する。最近ではAIを活用した競合モニタリングの自動化も進んでいる。詳しくは営業にAIを活用する方法で業務別のユースケースを紹介している。
2. 営業戦略の立案
市場分析をもとに、どのセグメントに、どのような価値提案で、どの順番でアプローチするかを設計する。テリトリー(担当エリア・業界)の配分、アカウントプランの策定、新規・既存の比率設計もこの業務に含まれる。経営戦略を営業現場の具体的なアクションに落とし込む「翻訳」の仕事であり、営業企画の最も上流に位置する業務だ。
3. KPI設計と実績管理
売上目標の達成だけを追うのではなく、営業プロセスの各段階を数値で可視化する。アポイント獲得数、商談化率、受注率、平均単価、リードタイム、LTV——これらの指標を設計し、ダッシュボードで常時モニタリングする。月次・四半期の経営報告資料の作成もこの業務に含まれる。KPIの設計が甘いと、営業チームは「何を改善すればいいかわからない」状態に陥る。
4. 営業プロセスの設計と標準化
リード獲得からクロージング、さらにはカスタマーサクセスへの引き継ぎまで、一連の営業ステージを定義し、各ステージで何をすべきかを標準化する。トップセールスの暗黙知を組織の形式知に変換する作業とも言える。商談のステージ定義、ネクストアクションの標準化、見積もりプロセスの整備など、地味だが営業生産性に直結する業務だ。
5. ツール選定・導入(CRM/SFA/MA)
SalesforceやHubSpotなどのCRM/SFA、MAツール、BI、iPaaSの選定と導入を主導する。ツールの比較検討だけでなく、データモデルの設計、ワークフローの構築、現場への定着支援までが業務範囲だ。営業DXとは?で解説した通り、ツールを入れただけでは何も変わらない。プロセス設計が先、ツール導入は後——この順番を守れるかが営業企画の腕の見せどころである。
6. 営業研修・オンボーディング設計
新入社員や中途入社の営業メンバーが早期に戦力化するためのプログラムを設計する。研修コンテンツの企画・制作、OJTの構造化、メンター制度の設計、オンボーディング期間中のKPI設定まで含む。「入社後3か月で独り立ちできる仕組み」を作ることが目標だ。
7. データ分析・レポーティング
CRMに蓄積されたデータを分析し、営業活動の改善点を特定する。ファネル分析、コンバージョン率の推移、セグメント別の受注傾向、営業担当者のパフォーマンス比較など、データから示唆を引き出して施策に落とし込む。Excelだけでなく、SQLやBIツール(Looker Studio、Tableau、Metabase)を使いこなせると、分析の深さとスピードが格段に上がる。
営業企画に必要な4つのスキルセット
営業企画の仕事内容を遂行するために求められるスキルは、大きく4つの軸に整理できる。
分析力
営業企画の土台はデータ分析だ。Excelのピボットテーブルは最低限として、SQLでCRMのデータを直接抽出し、BIツールでダッシュボードを構築できるレベルが市場での差別化要因になる。「なぜ受注率が下がったのか」「どのセグメントのLTVが高いのか」——データの裏にある因果関係を構造的に読み解く力が求められる。
企画力・論理的思考力
分析した結果を「打ち手」に変換する力だ。仮説を立て、データで検証し、施策に落とし込むサイクルを高速で回す能力が問われる。経営層向けには数字とロジックで、営業現場向けにはメリットと具体手順で、同じ施策をそれぞれの言語に翻訳できることも企画力の一部だ。
コミュニケーション力
営業企画は「経営層の意思」と「営業現場の実態」の間に立つ橋渡し役である。上からの方針を現場に押しつけるだけでは機能しないし、現場の声をそのまま上に伝えるだけでも不十分だ。双方の利害を理解した上で、実行可能な着地点を見つけ出す調整力が不可欠になる。また、CRM導入やプロセス変更は営業現場の抵抗を伴うことが多い。変革推進における巻き込み力も重要なスキルだ。
テクニカルスキル
CRM/SFA、MA、BI、iPaaS——営業企画が関わるテクノロジーの幅は年々拡大している。全てを自分で実装する必要はないが、ツールの選定基準を持ち、ベンダーやエンジニアと対等に会話できる水準の理解は必須だ。近年はAI活用のリテラシーも求められるようになっており、ChatGPTやClaudeといったLLMを業務プロセスに組み込める人材の需要は急速に高まっている。
営業企画と営業推進の違い
「営業企画」と「営業推進」は、多くの企業で混同されている。実態として同じ部署を異なる名称で呼んでいるケースも少なくない。
大まかな傾向として、営業企画は戦略設計に、営業推進は実行支援に重心があると整理できる。
| 観点 | 営業企画 | 営業推進 |
|---|---|---|
| 重心 | 戦略・仕組みの設計 | 施策の実行・現場支援 |
| 主な成果物 | 営業戦略書、KPIダッシュボード、プロセス設計書 | 営業資料、トークスクリプト、研修プログラム |
| 時間軸 | 中長期(四半期〜年間) | 短期(日次〜月次) |
| 主な接点 | 経営層・マネジメント層 | 営業現場・フロントライン |
ただし、現実にはこの両方を1つの部署が担っているケースが多い。求人票を見る際は、名称よりも具体的な業務内容を確認することをおすすめする。グローバルな文脈では、この両方を包含する概念がSalesOps(Sales Operations)と呼ばれている。
営業企画の年収レンジと市場価値
営業企画の年収は、ポジション・企業規模・業界で変動するが、2026年現在の日本市場における目安は以下の通りだ。
| ポジション | 年収レンジ | 特記事項 |
|---|---|---|
| メンバー(1-3年目) | 400万〜600万円 | 営業からのキャリアチェンジ含む |
| シニアメンバー(3-5年目) | 550万〜750万円 | CRM運用やKPI設計を主導 |
| マネージャー | 600万〜900万円 | チームマネジメント+戦略立案 |
| 部長 / VP of Sales Ops | 900万〜1,500万円 | 全社営業戦略の統括 |
特に注目すべきはテクノロジースキルの有無による年収差だ。SQL、BIツール、CRM設計ができる営業企画人材は、同じポジションでも100万〜200万円高い年収を提示される傾向がある。SaaS企業やIT企業ではこの傾向が顕著だ。外資系企業ではSales Operations / Revenue Operationsの名称で、マネージャー以上で年収1,000万円を超えるケースも珍しくない。
営業企画の市場価値が上がっている背景には、営業DXの加速がある。CRMを「ただ入れる」のではなく「成果が出る設計」ができる人材は慢性的に不足しており、売り手市場が続いている。
営業企画からGTMエンジニアへのキャリアパス
営業企画のキャリアパスとして、従来のマネジメントラダー(マネージャー→部長→事業企画・経営企画)に加え、今最も注目されているのがGTMエンジニア(Go-To-Market Engineer)への転身だ。
GTMエンジニアとは?で詳しく解説しているが、GTMエンジニアは営業プロセスの設計から技術的な実装までを一気通貫で行う専門職だ。営業企画が「設計はできるが実装はIT部門やベンダー頼み」だった領域を、自分の手で完結させる。
営業企画の経験者がGTMエンジニアを目指す最大のアドバンテージは、営業プロセスの深い理解を既に持っていることにある。技術は後から身につけられるが、営業現場の肌感覚は一朝一夕には手に入らない。
具体的なステップアップの道筋は以下の通りだ。
- CRM管理者権限の取得 — HubSpotやSalesforceの設定・カスタマイズを自分で行う
- SQLの習得 — CRMデータを直接抽出し、BIダッシュボードを構築する
- iPaaS活用 — Zapier、Make、n8nでツール間のワークフローを自動化する
- スクリプティング — Python/JavaScriptで営業プロセスの自動化を実装する
- AI実装 — LLMを業務プロセスに組み込み、営業活動を拡張する
このキャリアパスの特徴は、今の仕事の延長線上で段階的にスキルを積み上げられる点にある。営業企画の実務を続けながら、1つずつテクニカルスキルを追加していけば、自然とGTMエンジニアの領域に踏み込んでいける。
AI時代における営業企画の仕事内容の変化
AIの進化は、営業企画の仕事内容を根本から変えつつある。営業にAIを活用する方法で詳しく解説した通り、定型的なデータ集計やレポート作成はAIに代替されていく。しかし、営業企画そのものが不要になるわけではない。むしろ「AIを使いこなせる営業企画」の価値は急上昇している。
変化の方向性を3つ挙げる。
1. データ集計からインサイト抽出へ。 Excelで数字を集計する仕事はAIやBIツールが代替する。営業企画に求められるのは「数字の裏にある意味」を読み解き、打ち手を提案する力だ。
2. ツール導入から仕組みの設計・実装へ。 SIerに依頼して半年待つ時代は終わりつつある。ノーコード/ローコードツールとAIを組み合わせれば、営業企画自身が週単位で仕組みを作れる。営業DXとは?で述べた通り、「企画する人」と「作る人」の壁が崩れている。
3. 定型レポートから予測と意思決定支援へ。 過去の実績を報告する仕事から、AIを活用した売上予測、パイプラインのリスク検知、最適なアクションの提案へとシフトしていく。
この変化に適応できる営業企画は、組織にとって不可欠な存在になる。適応できなければ、AIとBIツールに仕事を代替される——二極化が進むのがAI時代の営業企画の現実だ。営業企画からGTMエンジニアへの転身方法で次のキャリアステップを確認してほしい。
参考文献
- 経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ)」2020年12月 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_3.pdf
- HubSpot「State of Sales Report 2025」 https://www.hubspot.com/state-of-sales
- Gartner「Sales Operations and Technology Survey」2024 https://www.gartner.com/en/sales/trends/sales-operations
- doda「営業企画の年収データ」2025年版 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
- LinkedIn「Global Sales Operations Trend Report」2025 https://business.linkedin.com/sales-solutions
営業企画の具体的な仕事内容は何ですか?
市場分析、営業戦略の立案、KPI設計と実績管理、営業プロセスの標準化、CRM/SFAなどのツール選定・導入、営業研修の設計、データ分析・レポーティングの7つが主要業務です。
営業企画と営業推進はどう違いますか?
営業企画は戦略立案や仕組みの設計に重心があり、営業推進は施策の実行と現場支援に重心があります。ただし企業によって同じ業務を異なる名称で呼んでいるケースも多く、明確な線引きはありません。
よくある質問
Q営業企画の具体的な仕事内容は何ですか?
Q営業企画と営業推進はどう違いますか?
Q営業企画に向いている人はどんな人ですか?
Q営業企画の年収はどのくらいですか?
Q営業企画からのキャリアアップにはどんな選択肢がありますか?
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渡邊悠介
代表取締役 / 株式会社Hibito
リクルート、MagicMomentを経て現職。幅広い営業経験と、営業推進、新規事業開発、採用の観点から企業の急成長を営業支援で支える。営業企画とAIを掛け合わせた「GTMエンジニア」として、営業組織の仕組み化・自動化を支援。CRMと生成AIを活用し、営業推進機能のAI化を推進する。
YouTubeでも発信中